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こんばんは。
めっきり寒くなりましたが、皆さまご体調崩さずにお過ごしでしょうか。 部屋を掃除していたら、おととしの展覧会で使用したヴェロニカさんがお書きになった 「大地窯の森林」の文章が出てきました。ここにご紹介したいと思います。 人と木の関係を思い出すと、だいたいの人が木にまつわるエピソードをもっている ものです。それは、旅先でみた木や幼い頃遊んだ木かもしれません。木は人にとって は兄のような、人同士の関係とはまた異なる特殊な関係にあると思います。 私が日本に来て最初に住んだのが駒場東大前です。大家さんのお家の大きな庭にあ る小屋に住んでいました。庭にある木は梅からもみじまで、日本の木々がすべて揃っ ていてそこにはガマや蛇が住み着いていて都会のオアシスでした。しかし、庭にビル が建設されることになり、私は立ち退くことになりました。私は家を立ち退くことは あまり悲しいことだとは思いませんでした。ただ、木々が切り倒されることに深い悲 しみを感じました。 次に私は北鎌倉に住みました。周りには立派な庭のある古い木造の家が私の住んで いる周りにはたくさんありました。しかし、東京と同じように家は取り壊され、木が 伐採され次々とビルが建っていきました。私は逃げるように四方津へ移り住みました。 四方津に来たのは山が急で、人間が開発することができないと考えたからです。 しかし、小高い山は削られ平らにされニュータウン開発が進みました。そして、私は 棚頭へ移り住みました。日本の山は戦後に植樹された人工林で覆い尽くされていたこ とは知っていましたが、棚頭で何年もの間、毎日土掘りや山歩きをして自然の中で暮 らすことで、だんだんと体で植林の影響から自然のバランスが崩れているということ がわかりました。この棚頭一帯はその昔、薬となる貴重な植物が生い茂っていて、神 社とお寺で研究をしていたようです。そうした貴重な植物も失ってしまいました。 こうした現状を何とかしようと私はまず第一歩として自宅の周りを雑木林にしたい と考えました。そして、雑木林を作るため湯呑の売り上げの一部を雑木林作りに使い たいと考えました。なぜ湯呑かといえば、焼き締めの湯呑でお茶を飲むと茶の香りと 土の香りがよく合い、私たちに平和を運び、自然に目を向ける時間をくれるからです。 私はこの小さなプロジェクトを「大地窯の森林」と名付けました。プロジェクトは森 づくりに固まらないで芸術、人間の治療、子供たちの遊び場づくりなどを含めた活動 につなげていきたいと考えています。 この1年後に大地窯の森林は第一歩を踏み出しました。 雑木林になる日もそう遠くないでしょう。 ![]() by masa ▲
by oochigama
| 2012-11-09 00:13
| おもいで話
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