梅雨の真っ只中、皆さんにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
大地窯ではそんな梅雨の中、奇跡的に天候に恵まれ6月7日の土曜日 に山梨県の白州町のミニグランドキャニオンへ粘土採掘に行ってまいり ました。ここではその様子を紹介したいと思います。 6月7日は前日までの雨が嘘のように、晴れ晴れと穏やかな天気でした。 朝9時頃に大月ICに集合し、そこから2時間ほどかけて北杜市白州町に 到着しました。白州町にはミニグランドキャニオンと呼ばれる小さな渓谷が あります。この渓谷は昭和57年の台風で一夜にして出現したという不思 議な所縁があり、地層からは磁器作りにはかかせないカオリナイトが、豊 富に含まれた粘土が採掘できるのです。 白州町に入りさらに山道を走りいよいよミニグランドキャニオンに到着し ました。近くの農道に車を止め、川辺に続く茂みに入っていきました。人が ほとんど立ち入らないのか、道は背の高い草が生い茂っていました。さらに ブッシュを掻き分け進んでいくと、パッと目の前が開けました。目に入ってき たのは、川の向こうに反り立った真っ白な壁でした。これがミニグランドキャ ニオンの正体でした。この真っ白い渓谷は川下までずっと続いていました。 大地窯のある上野原を流れる桂川岸壁をみると黒くゴツゴツとした溶岩の岩 肌が観察できますが、その普段見慣れた真っ黒い渓谷とはあまりに対照的 だったので、私には印象的で幻想的な景色に見えました。 対岸に粘土が豊富にあるとうことで、川を渡って移動しようとしましたが、 前日までの雨で川が増水していて、渡るのに一苦労でした。川水はひんや りして冷たく、流れもそこそこ急でした。が、私は結構楽しんでました。 対岸へ着いて、いざ粘土採掘開始かと思いきや、川岸の綺麗な石採取会が 先んじて開始されました。ここでは石英の結晶などが採取でき、それらはヴェ ロニカさん宅の窓辺の「ギャラリー桟」へ展示されることになりました。 そして、いよいよ粘土採掘へ取り掛かりました。しかし、ヴェロニカさんが粘土 だと言ったものは、私が想像していた粘土とは程遠いものでした。それは土、 というよりは砂でした。白い岩肌から水が湧いており、その周辺は岩が水で侵 食され粘土質になっていました。よくよくその土を観察すると様々な結晶が含ま れていました。これらが、釉薬を使わずにあれだけの色彩を生み出す源なのだ なと、自然の恩恵と神秘に感心しました。粘土はヴェロニカさんの指示で次々と 土嚢に入れられ、それを背負子入れて背負い、来た道を戻りました。関係者以外 の人に見られたら、どこかの行商さんと間違えられたことでしょう。 帰路の中、トランクで揺れる粘土達・・・ 一体どんな形に造られ、どんな色に焼き出来上がるのでしょうか。それはヴェロ ニカさんのみぞ知るといったところでしょうか。いや、窯に入れた後のことは窯を開 けるまで誰にも分かりません。出来上がりは誰にも分からないのです。それが陶芸 の面白さなのかもしれません。窯入れは9月の予定です。今からワクワクしてしまい ます。 最後になりますが、粘土採掘にご参加された皆さん本当にお疲れ様でした。 次は岩石図鑑を片手に参加したいです。 by masa
by oochigama
| 2008-06-12 21:54
| 展覧会に向けて
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