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大地窯へのルーツ その2
 全国で大雨が降りましたね。こちらは午後からお日様が出て暑いくらいでした。
ところで、当ブログの閲覧者数が600hitを超えました。大勢の方に
ご覧になっていただいて大変嬉しく思います。感謝申し上げます。

 さて、前回からやきもについて少しお話させていただきました。本日は第2弾
ということで、土器の焼き方の違いについて少しお話をしたいと思います。
古代において素焼きの土器である土師器とそうでない須恵器があるということ
でしたが、両者の焼き方の違いはどのようなものでしょうか。

 まず、素焼きの土師器ですが表面がオレンジから肌色をしています。また、もろ
いものが多いです。素焼きの土器は皆さんもよくご覧になっていると思いますので
、イメージが湧くと思います。これに対して須恵器は灰色をして硬質です。この色
と硬さの違いは焼成の何が要因なのでしょうか。
 その答えは窯焼きの際の酸素量と温度にあります。土師器などの素焼きの土器は
地面に穴を掘り、その中に土器を並べて藁などをくべ火をつけて燃やしました。いわゆ
る野焼きです。酸素が充実した状態で焼いて、温度は800度程度です。全国的に例
は少ないのですが、土師器焼成遺構というものが遺跡から確認されています。
 酸素が充実しているということは、つまりものが酸化しやすいということです。
鉄が酸化して赤錆をつくるのと同じです。つまり、土器が赤いのは土器自体が酸化した
からなのです(実際はもっと複雑だと思いますが)。このように酸素が充実した状態で
焼成を行うことを、酸化焔焼成(さんかえんしょうせい)といいます。
 一方、須恵器は野焼きではなく、登り窯で焼かれます。温度はおよそ1000度
といわれています。ただ途中までは土師器と同じように酸素が充実した状態で焼かれ
ます。しかし、焼成の途中で煙り出しの部分を閉じてしまいます。この時窯内は一酸化
炭素で満ちて、酸欠状態になっています。しかし、火は土器内の酸素を消費して、まだ
燃焼を続けようとします。このとき土器内の酸素が消費されることで酸化せず、さらに
高温で焼くことによって土器は鉄のような灰色になり、硬質になります。
このことを還元焔焼成(かんげんえんしょうせい)と呼びます。
また、この還元焔焼成は「焼き締め」とも呼ばれます。大地窯の作品はこの還元焔焼成
で焼かれているものもあります。

 さて、説明に少し怪しいところもありますが、なんとか古代までの土器をみてきました。
しかし課題はまだまだあります。作品を彩る釉(ゆう)はいかにしてできるのでしょうか。
さらに土器の製作技法はどのように発展して現在までに至るのでしょうか。
続きはさらに次の回でお話したいと思います。

by masa
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by oochigama | 2008-05-20 23:53 | やきもの講座
大地窯へのルーツ その1
 台風が近づいているようです。連休の晴れ晴れしさはどこへやら
梅雨前だというのに曇天が広がりしとしと雨が続きます。 
そんな中でも大地窯は次の展覧会に向け着々と準備をはじめています。
 さて、ここで少しやきものの歴史について少しお話したいと思います。
といっても私もかじった程度の知識ですから、調べ調べお話したいと思います。
大地窯へ繋がるルーツとはいかなるものなのでしょうか。

 日本で見つかる最も古いやきものが縄文土器です。およそ1万3000年前に登場
します。その後縄文土器から弥生土器へ弥生土器から古墳時代の土師器(はじき)
へと土器は移り変わっていきます。しかしこの土師器が直接大地窯の作品に繋がる
わけではありません。縄文土器から土師器すべてに通じる共通点は素焼きの土器で
あるということです。大地窯のような釉薬を使うやきものはいかに誕生したのでしょうか。

 古墳時代に土師器ともう一種類、須恵器(すえき)と呼ばれる土器が登場します。
須恵器の特徴は硬質で透水性がありません。色は灰色をしています。今の
陶器に近い性質を持っていますが、釉薬はかかっていません。
なので陶質土器と呼ばれています。この土器は日本古来の土器ではなく
朝鮮半島から伝わったとされていて、大地窯の作品もこの須恵器が遠いルーツに
なっています。しかし須恵器が日本に入ってきた後も土師器はなくなることなく、
併用されます。
 それは一つに用途の違いがあったからだと考えられます。縄文土器から続く
素焼きの土器は主に煮炊きに用いました。そして須恵器は祭具や貯水に用いた
と考えられています。素焼きの土器は貯水する機能を果たしません。しかし、
土器内に残る空気の隙間により、熱を受け土器が膨張してもひび割れることなく
煮炊き具として機能します。逆に須恵器はその緻密さゆえ水を通さず、貯水機能を
果たします。しかし逆に、熱を受けると膨張した際に空気の隙間がないため割れてし
まいます。
 同じ土器なのにどうしてこんな違いが生まれるのでしょう。それは土器の焼き方に
違いがあります。ここからは話が長くなるので、また次の回にお話したいと思います。

by masa
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by oochigama | 2008-05-10 22:33 | やきもの講座
大地窯の湯呑み
暖かさを増す今日この頃、みなさま温度変化の激しさに体調を崩されてはいませんでしょうか?
大地窯のある付近では、シャガや白山吹の花が絶好調に咲いてます。

ところで今回は、大地窯の”湯呑み”についてご紹介します。
湯呑みはほとんどの人が毎日使う必需品です。
たしかに今は百円あれば湯呑みが買えてしまう世の中ですが、365日何年も使うかもしれない大切な道具ですから、出来たらしっくりくるものを使いたいですよね。

私は大地窯の湯呑みを購入して以来、毎日そればかり自然と使うようになりました。
何故かというと他の湯呑みとお茶を飲み比べると、味ががらりと変わってしまうからです。
お茶の味の変化については、体験してみないとなかなか分かりずらいことではありますが、それは飲み物のにがみや臭みをうつわが”ろ過”してくれるかのようで、味がグッとまろやかに、まるく、美味しくなるのです。

さらに、大地窯の湯呑みも、それぞれ味が微妙に変わるのです・・!
釉薬がかかってるか、ないか、口が広がっているか、まっすぐか・・など微妙な形や成分の変化で、お茶も味を変えていくようです。
私事の好みではありますが、お気に入りは焼き締めの湯呑みです。

私が大地窯のうつわの中でまず多くの方に使っていただきたいと思うのは、この湯呑みです。皆様もぜひ、大地窯の湯呑みでお茶を飲んでみてくださいね。

by sai
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by oochigama | 2008-05-01 23:42 | 大地窯とは