カテゴリ:大地窯の森林( 2 )
大地窯の森林はじまる
さて、3月に入りもう4月へ手が届くところまできました。
2月に寒い思いをしたので、早く3月にならないかと思ってい
ました。3月も10日に入ったころああ、もう20日で4月かなどと
思っていました。
そして11日に東日本大震災が発生しました。この日を境に世界が
まるで別のものになってしまったようです。日々何事もなく、無事で
平和で暮らせることこそが奇跡なのではないかと思います。
1日、1日を大切にという言葉を噛みしめる想いです。
変わらない日常はもろいもので、そして貴いものと思います。
大地窯は幸いガラスに少しヒビが入った程度で大事には
至りませんでした。ヴェロニカさんも無事でした。
被災し心も体も疲弊している現地の方々にはいち早く平穏が訪れる
ことを心から祈るのみです。

さて、この震災の9日後、私は大地窯を訪れました。
そこでの出来事を少し綴りたいと思います。
私は3月の頭にヴェロニカさんから根津の展覧会の売上の5%が
ある程度貯まったのでさっそく木を植えたいという話を
聞いていました。その話が地震の後どうなったか気になっていたのと、
展覧会へ毎回足を運んでいただいている私の学生時代の恩師が
山梨に来ていたのでサプライズゲストとしてヴェロニカさんには内緒で
お連れし、約1か月ぶりに大地窯を訪れました。
ヴェロニカさんは私の恩師との再会を驚くとともに、さっそく木の話を
と、木を植えたところまで案内してくれました。すでに植えたとのこと
で大変驚きました。木は今回窯焚きをお手伝いいただいた藤倉造園さん
がデザインし、植えていただいたということでした。
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そこはヴェロニカさんの家の南側の斜面で道が造られ、その傍らに
ケヤキやマツ、ヒサカキ、などの苗木が22本植えられていました。
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saiさんご作成の森林マップが分かりやすかったのです。
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ひととおり、木々を見た後、家の壁に3つ置かれた木の丸太に
腰かけ、遠くの山々を3人で眺めました。陽気もよく川のせせらぎ
が聞こえてきました。
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そこでポツリ、ポツリ語られることはやはり地震のことでした。
今後、日本はどうなっていくか、被災地の状況など見通しがつ
かない状態にため息もでましたが、ヴェロニカさんはこの地震
は今までの人間を変えるとおっしゃっていました。
ヴェロニカさんは植樹の話をしてくれました。
藤倉さんが11日に植樹場所の掃除が終わったところで地震があったと
いいます。14日植える予定でしたが、このまま植えるかどうか悩んだ
と話していました。
毎週日曜日にヴェロニカさんはお姉さんとFAXのやりとりをするそうですが
13日の日曜日ヴェロニカさんはお姉さんに植えるのをやめ
ようと思うと伝えたところ「今植えなければいけない」と叱咤と激励をいただい
たといいます。
これはまた別の日にヴェロニカさんから伺った話ですが、スイスの芸術家の
ご友人からやはり安否の電話があり、植樹の話をしたそうです。
そのときご友人は15~16世紀、ドイツの神学者であるマルティン・ルター
が残したという言葉を教えてくれたと言います。
それは「明日、世界が滅びようとも今日私はリンゴの木を植える」というもの
だったようです。
この言葉にヴェロニカさんは勇気づけられたといいます。
様々な解釈ができる言葉ですが、まさにヴェロニカさんの状況と一致する
名言でした。
この言葉は何が起きようとも普段通り生きることの大切さを教えてくれるものです。
買占めなどが報道される中、私にとっても象徴的な言葉でした。

この苗木が育ち、家を覆うようになるとき、それは10年、20年、
いやもっと先の話かもしれません。でもどれだけ時間がたっても
この地震のことは忘れてはいけないと思います。
地震は大変な悲劇でありますが、私の中では困った人がいたら助け
ようという非常にシンプルでありながらも、日々の生活の中で忘れ
てしまった人の温かさを思い出すきっかけになりました。そうした
気づきは日本だけでなく世界に広がっているかもしれません。
ヴェロニカさんが言うように人間の世界を変えるきっかけになるものと
思います。

3月14日に植樹された木々はこの地震のことを思い出させてくれるものに
なると思います。それは地震の悲劇でなく、それを乗り越える人の優しさ、
温かさであることを信じています。
強く育っていってもらいたいと願い、未来の森の中で平和な世界を祈りま
した。
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by masa




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by oochigama | 2011-03-27 00:05 | 大地窯の森林
大地窯の森林について
 もう年が明けて1か月が過ぎようとしています。
遅ればせながらあけましておめでとうございます。

 さて、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、ホームページの方に新しく
大地窯の森林というページを作りました。これは大地窯のプロジェクトなのですが
とても大ざっぱに説明すると大地窯でつくられた湯呑の売上げの10%を大地窯
周辺の自然のために使うプロジェクトです。
 大地窯の森林の構想はスイス大使館へ行った帰りにヴェロニカさんにはじめて聞きまし
た。このときはまだ、自宅の周りを雑木林にしたいというお話で、器の売上げを雑木林作
りに使いたいというものでした。
 その後、昨年4月20日に深大寺へ行った際に具体的にどうしていこうかという話をしまし
た。この時の様子は「森と動物と人と」の記事に詳しいです。そこからたびたび、こうしたヴェロニカさんの構想が語られる機会が何度かありました。昨年7月19日の集まりでも、ヴェロニカさんの口から語られています。

 10月に何度かヴェロニカさんのお宅へお邪魔する機会があり、この一連の構想を進め
る会の名を「大地窯の森林」と名付けたという話を聞きました。そして、この会や活動
のシンボル画を見せてもらいました。まずは、ということで、そのシンボル画をもとに湯呑
に付けるカード作りを行いました。このカードは日本語、ドイツ語、英語で作り、売れた湯
呑に付けています。

 昨年11月14日に本格的な話し合いの場がもたれました。
内容は大まかに大地窯周辺の自然と大地窯自体を今後どういう形で持続させて
いくかというものでした。ここでは、ヴェロニカさんの構想をさらに具体化する必要
があるということで12月をとおして構想を文章化していきました。

 そして、今年の1月24日に第2回の話し合いがもたれました。
参加してくれた皆さんにヴェロニカさんの構想を文章化したものをみていただき、
活動趣旨理解していただきました。
 とにかくゆっくりじっくり取り組んでいくことと大地窯の活動の輪を広げ様々な分野の
方々に参加してもらうということが必要であるという結論に至りました。
 またいずれヴェロニカさんの構想を文章化したものもBlogやHPで紹介していきたい
と思います。

 つい先日ヴェロニカさんから電話をいただき、大地窯の森林の活動の第一歩を自身で
はじめるという話をうかがいました。そして、1月24日の話し合いで4月に大地窯周辺の
自然を探検&お花見という企画がなされました。
 雪がなかなか融けず寒い日が続きますが、春の芽生えのような話題に胸が躍ります。
大地窯の森林の第一歩も追ってこのBlogで紹介したいと思います。
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by masa
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by oochigama | 2010-02-12 19:25 | 大地窯の森林